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高校入試における内申点(換算内申)についてまとめた記事です。
(注)この内容は平成27年度までの都立高校入試について書かれたものです。
入試制度は年々変化しておりますので、必ず最新情報をご確認ください!
まもなく中間テストですね。中にはもう中間テストが終わった中学校もあるようですが、中3受験生にとってはこのテスト結果は内申(通知表)に大きく影響しますから、テスト対策やら日々の復習や定着やら、なんとしてでも毎日がんばって勉強すべき期間でしょう。
ところで、秋津進学教室では年に2回(中3生は6月・11月 それ以外の学年は6月・2月)ご父母を対象とした「個別面談」をおこなっています。また、生徒やご父母が不安や心配事を抱えた場合にご相談いただく「入試相談」「個別相談」は随時おこなっています。
これら「面談」・「相談」で、特に中3受験生のお父さん・お母さんたちに「進路希望」について伺うと、「都立高校」の入学を希望される方々がとても多くいらっしゃるのが、この3~4年の傾向です。
さらに、3月になると塾では新学年となるため、その時期に新中3生たちに「都立・私立」の希望を聞くと、「絶対に都立に行きたい」や「できたら都立に行きたい」が秋津進学教室の全中3生の約95%を占めるのも、この数年の傾向です。
5年以上前なら、「まだ決めていない」「どちらでも良い」
「親と相談してから決める」などの回答が40%近く有り、
「絶対に私立に行きたい」や「行きたい私立高校がある」などが約10%くらいはありましたが、最近では3月の段階で「絶対に私立に行きたい」や「行きたい私立高校がある」などは1人か、いたとしても2~3人で、0人の年もあります。なぜこんなにも「都立」人気が高まったのかの分析はまたの機会にお話ししたいと思いますが、とにかく中3塾生や塾生のご両親の大多数が「都立」を希望されているが現況です。
さて、そのような「都立人気」を背景に、今回のブログから数回に分けて高校を受験する際に合否の判定にかかわる「内申」(中学校から渡される通知表)の扱いについてお話ししたいと思います。
実は、この「内申」の扱いは私立高校と都立高校では異なるのです。私立高校の場合、3科(英数国)・5科(3科+理社)・9科(全科目)のそれぞれの合計を出す場合、単純にたし算して算出します。これを「素内申」と言います。
都立高校の場合、5科を素内申で算出し、残りの音楽・美術・技術家庭・保健体育の4科は、これら4科の合計を1.3倍(都立普通科の場合)するのです。そして5科合計と4科合計を1.3倍したものをたし算します。これを「換算内申」と言います。
例えばオール3のK君の場合ですと、
英3 数3 国3 理3 社3 音3 美3 技3 保3ですから
素内申は「3科は9」「5科は15」「9科は27」となります。
ところが換算内申は、「5科合計は15」で「残り4科合計は12」そして「12×1.3=15.6」となり、「15+15.6=30.6」ですが小数点以下は切り捨てになるため、K君の「換算内申」は30となります。
では、5科オール3で、残り4科が全て4であるA君の場合はどうなるのでしょうか。
英3 数3 国3 理3 社3 音4 美4 技4 保4ですから
素内申は「3科は9」「5科は15」「9科は31」となります。
ところが換算内申は、「5科合計は15」で「残り4科合計は16」。そして「16×1.3=20.8」となり、「15+20.8=35.8」ですが小数点以下は切り捨てになるため、K君の「換算内申」は35となります。
「4科全て3」と「4科全て4」では、通知表の上では「12」と「16」ですからその差は「4」ですが、換算内申で算出すると、「15」と「20」でその差は「5」となるのです。
つまり、4科の合計に1.3をかけ算するため、4科の素内申が高ければ高いほどその換算内申も高くなり、その効果は絶大になるので、都立受験を希望するのであれば、受験科目ではない実技4科目も力を入れて勉強しておく必要があるのです。
すこし長くなりましたが、次回は、換算内申の「1.3倍と小数切り捨て」における驚きの事実と、合否を判定する「都立高校の本番入試得点と内申の比重配分」についてお話ししたいと思います。
前回は、都立高校入試の合否にかかわる換算内申の算出方法についてお話ししましたので、今回はその換算内申が都立高校入試の合否にどの程度かかわってくるのかについてお話ししたいと思います。今回はかなり長くなりそうですが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。では・・・
各都立高校は合格者を選抜するにあたって、中学校から渡される調査書(生徒個人の学業における成績である内申や観点別学習の記録と出欠状況や部活や委員会活動等など中学校生活についてかかれているもので、一般的にはこれを指して内申と呼ぶことが多い)と入試当日(学力検査)の得点の2項目で合否の判定をおこなっています。そして、これら2項目を各都立高校の基準で点数化し、1000点を満点として、点数の高い生徒から順に募集定員分の合格者を選抜しているのです。
さきほど「これら2項目を各都立高校の基準で点数化」とお伝えしましたが、各都立高校は合格者を選抜する際、入試当日(学力検査)の得点と調査書点のどちらを重視するかを選ぶことができるのです。
この「学力検査点:調査書点」の関係を都立入試の「比重配分」といいます。
この「比重配分」の割合は各都立高校が自由に配分できるわけではなく「学力検査点:調査書点」→「7:3」「6:4」「5:5」
「4:6」の中のどれかでその年の都立入試の「比重配分」を各都立高校が設定します。ですから今年「6:4」であった都立高校が来年「7:3」に変更してくる可能性や逆に「7:3」から「6:4」に変更してくる都立高校が出る可能性があるので、各都立高校の比重配分については情報収集につとめる必要があるのです。
ではここで、各都立高校が設定する「比重配分」についてもう少しくわしくお話ししましょう。
「学力検査点:調査書点」→「7:3」の場合
学力検査点とは入試当日の受験5科目の合計点のことを意味します。各科目100点満点ですから5科目すべて満点なら100点×5科目=500点となりますが、都立高校は「学力検査点+調査書点」=1000点満点で算出しますから「7:3」の「比重配分」の場合、1000点のうちの700点分が「学力検査点」となります。
つまり実際の5科目満点の500点を700点(1.4倍)として算出するのです。ですから「7:3」の高校では実際の「学力検査点」を1.4倍したものを入試得点としています。
また、「7:3」の「比重配分」の場合、1000点のうちの300点分が「調査書点」となります。調査書の学業の成績(内申)がオール5だと、換算内申が「5科=25 4科合計20×1.3=26」ですから満点は51となります。この51点が調査書点満点の300点になるわけです。そして換算内申1点は「300÷51=約5.88点」として算出されます。
たとえば9教科オール4の内申を持つ生徒の場合、換算内申は
(4×5科)+(4×4科)×1.3=40.8→40(小数切り捨て)となるわけですが、「7:3」比重配分校を受験すると換算内申1点が約5.88点ですから40×5.88→235点が調査書点(内申点)として受験校に対してあらかじめ計上されるのです。
「7:3」の「比重配分」を設定している都立高校では、調査書=内申(中学校の成績)が合格者選抜判定に対して30%しか効果を発揮できません。逆に「学力検査点」が合格者選抜判定に対して70%も占めています。ですから、どんなに中学校の成績が良くても入試当日に受験する都立高校に見合うだけの学力がなければ、簡単に落とされることになるのです。「7:3」の「比重配分」を設定している都立高校においては、やはりキーワードは「真の学力」ということになります。そうは言っても、合格者選抜判定に対して調査書点が30%かかわるわけですから、入試の持ち点である内申が良い方が有利であることはまちがいありません。
「学力検査点:調査書点」→「6:4」の場合
学力検査点5科目の合計、各科目100点満点ですから5科目すべて満点なら100点×5科目=500点となりますが、この都立高校は「学力検査点+調査書点」=1000点満点「6:4」の「比重配分」ですから1000点のうちの600点分が「学力検査点」となります。つまり実際の5科目満点の500点を600点(1.2倍)として算出するのです。ですから「6:4」の高校では実際の「学力検査点」を1.2倍したものを入試得点としています。
また、「6:4」の「比重配分」の場合、1000点のうちの400点分が「調査書点」となります。調査書の学業の成績(内申)がオール5だと、換算内申が51となりますから、この51点が調査書点満点の400点になるわけです。
そして換算内申1点は「400÷51=約7.84点」として算出されます。「7:3」に比べて換算内申1点の価値がずいぶんと上がっていることに気が付かれたかと思います。
たとえば9教科オール4の内申を持つ生徒の場合、換算内申は
(4×5科)+(4×4科)×1.3=40.8→40(小数切り捨て)となるわけですが、「6:4」比重配分校を受験すると換算内申1点が約7.84点ですから40×7.84→313点が調査書点(内申点)として受験校に対してあらかじめ計上されるのです。
同じ「9科オール4」でも「7:3」では235点にしかなりませんが、「6:4」では313点になり、その差は78点もあるのです。
「6:4」の「比重配分」を設定している都立高校では、調査書=内申(中学校の成績)が合格者選抜判定に対して40%効果を発揮しています。逆に「学力検査点」が合格者選抜判定に対して60%を占めています。ですから、どんなに中学校の成績が良くてもやはり入試当日に受験する都立高校に見合うだけの学力がなければ、落とされることになるのです。「6:4」の「比重配分」を設定している都立高校においても、やはりキーワードは「真の学力」ということになります。
「学力検査点:調査書点」→「5:5」の場合
学力検査点5科目の合計、各科目100点満点ですから5科目すべて満点なら100点×5科目=500点となりますが、この都立高校は「学力検査点+調査書点」=1000点満点「5:5」の「比重配分」ですから1000点のうちの500点分が「学力検査点」となります。ですから「5:5」の高校では実際の「学力検査点」がそのまま入試得点となります。
また、「5:5」の「比重配分」の場合、1000点のうちの500点分が「調査書点」となります。調査書の学業の成績(内申)がオール5だと、換算内申が51となりますから、この51点が調査書点満点の500点になるわけです。
そして換算内申1点は「500÷51=約9.8点」として算出されます。「7:3」に比べて換算内申1点の価値がものすごく高いことに驚かれることと思います。
たとえば9教科オール4の内申を持つ生徒の場合、換算内申は
(4×5科)+(4×4科)×1.3=40.8→40(小数切り捨て)となるわけですが、「5:5」比重配分校を受験すると換算内申1点が約9.8点ですから40×9.8=392点が調査書点(内申点)として受験校に対してあらかじめ計上されるのです。
同じ「9科オール4」でも「7:3」では235点にしかなりませんが、「5:5」では392点になり、その差157点もあるのです。
「5:5」の「比重配分」を設定している都立高校では、調査書=内申(中学校の成績)が合格者選抜判定に対して50%効果を発揮しています。逆に「学力検査点」が合格者選抜判定に対しても50%を占めます。ですから、「5:5」を設定している都立高校は、比較的に中学校の調査書点(内申点)は良いが、会場テスト等の偏差値があまり高くなく学力的に多少の不安を感じている生徒にはむいていると思われます。
しかし平成26年度の都立入試以降、ほとんどの都立高校が入試の比重配分を「7:3」「6:4」に設定しており、「5:5」はあまり見られなくなりました。今や、「7:3」が主流となっているのです。
今回はここまでにして、次回は平成26年度の秋津進学教室周辺の都立高校(全日制普通科)で、例年秋進の生徒たちが良く受験している高校の「比重配分の具体例」と「都立高校の受験校を決める際の注意点」についてお話ししたいと思います。
今回はまず平成26年度都立入試における秋津進学教室周辺の都立高校(普通科)で主だった高校の「比重配分」を見てみましょう。
「学力検査点:調査書点」→「7:3」の高校
武蔵・武蔵野北・小金井北・清瀬・小平・小平南・保谷・国立
調布北・府中・立川・昭和・国分寺・大泉・井草・東大和南
豊多摩・武蔵丘・鷺宮・府中南・神代・狛江
「学力検査点:調査書点」→「6:4」の高校
田無・久留米西・府中西・東大和・福生・武蔵村山・石神井
練馬・光丘・大山
「学力検査点:調査書点」→「5:5」の高校
小平西・東村山西・田柄・拝島
やはり偏差値の高い高校ほど「7:3」の比重配分を設定していることが見てとれます。また周辺校のほとんどが「7:3」で「6:4」を設定している高校も少なくなってきています。つまり、受験生に対して「真の学力」を問う都立高校が増えてきているのです。
内申点はとても良いのに学力レベルを数値化した偏差値がひじょうに低い受験生が意外と多くいるのも事実です。特に女子生徒に多く見られますが、9科の素内申合計が40(通知表で全ての科目が4または5)ほどもあるのに、受験に必要な5科目の平均偏差値が48~50程度の生徒が結構多くいます。これでは、いくら内申が受験する都立高校のレベルに達していても、自分の内申だけを信じて受験すれば間違いなく不合格となります。
都立高校入試の一般受験のチャンスは一度限りで(前期・後期の2回ある高校もある)しかも複数校受験できません。たくさんある都立高校のなかから1高校のみを選んで受験するのです。そのため、たとえばA高校を受験しようと考える受験生たちは、そのA高校の学力レベルも内申レベルも良く調べて、当然納得した上で受験してきます。ということは、A高校を受験する受験生たちの大半は、A高校の学力レベルと内申レベルに達していて、合格するつもりで受験してきていると考えられます。ですから内申点が良いことだけを過信して、自分の学力レベルを顧みずに受験しても不合格となってしまうのです。都立高校の受験校を決める際は、内申レベルも大切ですが、やはり自分の学力が受験する都立高校とつり合っているのかを考えなくてはなりません。極端に自分の学力レベルより下の都立高校を受験する必要はありませんが、会場テストなどを複数回受験して、合格率が60%以上出ている高校を選ぶことをおすすめします。
それでも最近の都立高校は不合格者を多数出しています。
では、なぜ内申レベルも学力レベルも受験する高校の合格圏内にある受験生たちの多くが不合格となるのでしょうか。
受験する都立高校のレベルを知った上で受験するということは、たとえばA高校を受験する生徒たちの都立入試における持ち点である内申レベルは、とりあえず皆同じくらいと考えて良いでしょう。はじめからA高校に対して内申点が足りていないのがわかっていてA高校を受験する生徒は、そう多くはいませんが、かなり学力に自信のある生徒と言うことができそうです。(男子生徒に良く見られますが、内申が9科素内申32程度(9科で3と4が半々)でも受験5科目の平均偏差値=61~65くらいの生徒は意外と多くいます。)
ではなぜ不合格者が多数出るのか、その理由は、①受験倍率が高くなったこと。②自分の学力レベルよりもランクを下げた都立高校を受験する受験生が増えたこと。③学力検査点による差が比重配分によって顕著に表れること。これら3つがあげられそうです。
都立人気の高まりによって受験倍率はここ数年間たいへんな高倍率になっています。そのため、どうしても都立高校に入学したい受験生たちは、自分の内申と学力レベルに相当する都立高校の受験を一度は考えるものの、毎年の倍率やその年の倍率を見て、あまりの高さにびっくりしてしまい、自分の学力レベルよりも1~2ランク下げた都立高校を受験する生徒が増えてきているのです。受験生個人やご両親のさまざまな理由があって、ランクを下げて受験するわけですが、それほどまでに都立高校に入学したいと願う切実な事情をかかえた受験生がいることも事実なのです。
この状況をふまえれば、自分の内申と学力レベルに相当する都立高校を受験した場合、自分よりも「学力」が上の生徒が必ず同じ高校を受験してきていることを意識しなければなりません。
都立高校はおおよそ募集定員分しか合格者を出しませんから、同じ学力レベルのなかでの競い合いでも、1倍を超えた分(募集定員を満たした後の人数)は当然不合格になるので、どの都立高校も倍率が高いため合格するのはたいへんなのです。さらに、明らかに「学力」が自分よりも上の生徒が少なからず同じ高校を受験してきているとなれば、合格はさらに難しくなります。
また学力の差は比重配分によって、さらに拡大されるのです。たとえば1問4点の配点がある問題を1つ失敗すれば、「7:3」では4×1.4=5.6点が正解できた生徒との差となります。2つ失敗すれば11.2点。3つ失敗すれば16.8点。4つ失敗すれば22.4点。5つ失敗すれば28点と、どんどん差がついていくのです。受験科目は5科目ですから、1問4点の配点問題を1科目1つずつ失敗しただけでも、正解できた生徒と28点もの差につながるのです。たとえ、ある生徒より換算内申では自分の方が2点上だったとしても、「7:3」配分では2×5.88→12点の差であるけど、その生徒が自分より5科目で3問多く正解していたなら、16.8-12=4.8点
自分の方が低くなってしまうのです。
とても怖いことだと思いませんか。
このことから「不合格者の50%以上は、内申点よりも学力検査点で差をつけられている」と言えそうです。ですから学力レベルと内申レベルのどちらか一方だけをたよりに、特に内申点が良いというだけで自分の内申点相当の高校を受験校に決めるのはとても危険なことなのです。ましてや「7:3」の場合は、前述したように、合否の判定に対して内申点は30%しか効果を発揮できないのですから。
ちなみに、26年度の都立入試では、秋津進学教室の主だった周辺29校の不合格者数はなんと2779名いました。合格倍率は約1.47倍となりました。周辺29校だけの数値ですから驚きです。
今回はここまでにして、次回(最終回)は「換算内申」の意外な事実と平成28年度都立入試からの「換算内申」算出方法の変更点および「比重配分」の統一化についてお話ししたいと思います。
さて、今回で「換算内申」についてのお話しは最終回となりますので、まずは知っておくと得をするかもしれない「換算内申の意外な事実」についてお話ししましょう。
通常、全日制普通科で受験科目が5教科(英・数・国・理・社)の都立高校では、中学校から出される調査書(内申)点を、合格者を選抜するための入試得点に換算する際に、9教科のうち、音楽・美術・技家・保体の実技4科目のみ、「4科合計×1.3」してから残りの5教科をたし算して算出します。これを「換算内申」と言いましたね。
さきほど「通常」とお伝えしたのは、そうでない都立高校もあるからです。くわしい説明は避けますが、一部の商業高校や工業高校などで見られる、入試の受験科目が3教科(英・数・国)の都立高校では受験科目以外の残り6教科を1.2倍して「換算内申」を算出しています。今回は、全日制普通科で受験科目が5教科(英・数・国・理・社)の都立高校の場合を考えてみたいと思います。
「換算内申」を算出するにあたって対象となる科目は、内申点のうち、音楽・美術・技家・保体の実技4科目のみで、その4科合計を1.3倍するわけですから、まずはこの4科目の素内申(単純にたし算したもの)の幅を考えてみましょう。
4科目全てが「1」の場合の素内申「4」から4科目全てが「5」の場合の素内申「20」までの17通りありますが、4科目素内申が「4」なら、「換算内申」は「4×1.3=5.2→5(小数切り捨て)」です。4科素内申「20」なら「20×1.3=26」となります。4科素内申を1.3倍するわけですから、元となる4科素内申が高ければ高いほど効果的となります。4科オール1なら素内申「4」に対して「5」ですから「1」しか上がっていませんが、4科オール5なら素内申「20」に対して「26」ですから「6」も上がっています。
すごいですね!
ではここで、これら4科目の素内申として考えられる幅をすべて「換算内申」に直してみましょう。
4科 素内申 | 4科 換算内申 | 4科 素内申 | 4科 換算内申 |
4×1.3 | 5.2→5 | 13×1.3 | 16.9→16 |
5×1.3 | 6.5→6 | 14×1.3 | 18.2→18 |
6×1.3 | 7.8→7 | 15×1.3 | 19.5→19 |
7×1.3 | 9.1→9 | 16×1.3 | 20.8→20 |
8×1.3 | 10.4→10 | 17×1.3 | 22.1→22 |
9×1.3 | 11.7→11 | 18×1.3 | 23.4→23 |
10×1.3 | 13→13 | 19×1.3 | 24.7→24 |
11×1.3 | 14.3→14 | 20×1.3 | 26→26 |
12×1.3 | 15.6→15 |
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表を見ると「換算内申」は、小数点以下は切り捨てされています。そして黄色の欄のところだけは、その前と比べて素内申が「1」上がっただけで「換算内申」は「2」上がっています。
たとえば4科素内申が「13」だと「換算内申」は「16」ですが、4科素内申が「14」だと「換算内申」は「18」になります。素内申が「13」では「換算内申」は「16.9」で小数点以下の「0.9」が切り捨てられていて、とてももったいないことになっています。その反動で素内申が「14」であれば「換算内申」はいきなり2つ上がって「18」と効果的です。素内申が1上がるとほとんど「換算内申」も1上がりますが、素内申が「7」「10」「14」「17」「20」の時だけ「換算内申」はその前とくらべて「2」上がっているのです。ここからどんなことが言えるのでしょうか。
たとえば、4科目の内申が、音楽2 美術3 技家4 保体4だと、素内申は「13」ですから「換算内申」は「16」になってしまいます。ですからこの場合、なんとかして音楽の「2」を「3」に上げておきたいところなのです。音楽を上げるのが無理であるならば、他の科目のどれかを「1」上げておかないと、「換算内申」の効果をうまく利用していないことになるのです。
いかがでしたか。初めてこの事実を知った人もいると思いますが以前にもお伝えしたように、「換算内申」1点の重みは、1000点満点の入試得点に換算すると「7:3」の比重配分では「約5.88点」。「6:4」では「約7.84点」。「5:5」では「約9.8点」になるわけですから、けしてあなどれません。
それでは最後に、平成28年度都立高校入試からの変更点についてお知らせしたいと思います。下記の変更点は現中2生からが適用となりますので現中3生は今まで通りです。
平成28年度都立高校入試からの変更点
① 調査書の実技4教科のかけ率を1.3倍から2倍に変更
② 全日制の第一次募集と分割前期募集は5教科かつ比重配分を「7:3」に統一する。
③ 特別選考を廃止する。
「かけ率が2倍」というのはすごいですね。でも小数以下が切り捨てられることがなくなるので、平等といえば平等かもしれません。
また「比重配分」が「7:3」に統一されるとは、全ての都立高校が内申点よりも学力検査点の方を重視することを意味します。そうなれば受験5科目ばかりに力を入れる生徒が増えることでしょう。
だからこそ調査書の実技4科のかけ率を2倍にすることで、調査書の重要性(特に実技4科)をクローズアップさせるのでしょう。
「内申点」は中間・期末テストの結果ばかりが反映されているわけではありませんから、中学校生活をまじめに送っているからこそ「内申点」が高い生徒もいるはずです。この部分を評価してくれていたのが「5:5」を設定していた高校だと思いますが、これが廃止となると、たとえまじめで生活態度が良くても、学力の低い受験生の場合、今日よりもさらに都立高校に入学することができない、そんな時代に突入ということでしょうか・・・
予想はできても、28年度の結果を見るまではわかりませんが。
いずれにせよ、都立高校の入試倍率は来年度以降も高くなることが予想でき、依然厳しい入試となることでしょう。
まだ受験生ではない今年の中2生諸君・中1生諸君とそのご父母各位に申し上げます。
毎年、夏期講習も終わり10月~11月の中3生個別面談を開始する時期になると、それ以降、中3受験生をお持ちの親御さんたちで、青い顔をして入試相談に来室される方が少なからずいらっしゃいます。「わが子の行く末を心配して」のことだと思いますが、なかには11月~2月までの間で14回も相談に来室されたお母さんもいらっしゃいました。
「毎回の授業の様子」や「学力点向上の度合」そして志望校の「合格率」を祈るような気持ちで私に尋ねていらっしゃいました。この方は、中3生になってから秋進に入塾した生徒のお母さんで、中1~中3の夏まで子供がほとんど勉強していなかったため「都立高校に入学できなかったらどうしよう」と心配されていたのです。
来室される度にやつれ顔色が悪くなっていらっしゃいました。そして口ぐせのように「絶対に合格させてください」と言われます。
私は「たとえどんなに会場テストの合格率が高くなっても、受験に絶対はありません。ですからそれほどご心配でしたら、もしものためにおさえの私立高校を受験してみていかがですか。」とアドバイスを試みますが、「合格しても行かせてあげられない私立を受験させる気にはなれません。」との答えが返ってきます。
心に不安を抱えて毎日を過ごすお母さんのために、「大丈夫そうです!」とか「合格できそうですよ!」などと言えばこのお母さんは、精神的に少しは楽になれたのかもしれません。しかしこの生徒の会場テストでの志望校合格の可能性は、冬期講習が終了した時点で60%でした。学力検査では5科目中1問でも多く正解し、できるだけ失点をおさえる以外、合格は望めません。逆を言えば、この合格率では「落ちる」可能性が十分あるわけですから、「ぬか喜び」には終わらせたくはなかったのです。
そのため私は、「秋進は全力をあげて生徒たちを指導しておりますが、お子さんだけでなく他の中3受験生たちもがんばっているわけですから、受験生全体の学力が平行移動して上昇しますので、どんなにお子さんががんばってもなかなか他に差をつけるのは難しいのです。まして、お子さんが力をぬけばたちどころに差をつけられます。ですから毎日の受験勉強に力をいれて、しっかりとそれを継続していく以外に合格を勝ち取ることはできないのです。とにかく最後までがんばらせましょう。」と毎回の相談でお伝えしました。
この時私は、このお母さんから「なんて頼りない、冷たい先生!」と思われたかもしれません。
都立高校1校だけを受験することを決意したまま2月の最後の相談の日を迎えました。私はこのお母さんに、「このままではお母さんの方が体をこわしますよ!心配しすぎないようにと言っても無理かもしれませんが、最後までお子さんを信じて見守ってあげましょう。お子さんは今、自分自身のために、そしてお母さんのために合格しようと必死にがんばっているのですから・・・」とだけ申し上げると、かぼそい声で「はい」と言われて涙ぐまれていました。
最終的には、この生徒は志望校にみごと合格し、私もホッと胸をなでおろしました。お母さんからは、直接ご来室され感謝の言葉をいただきました。そしてお母さんには、やや頬を紅潮させた健康的な笑顔がもどっていました。
思えば、「わが子のことが心配で、何かをせずにはいられない母親の本能」が毎回の受験相談に駆り立てたのでしょう。
合格を願う「家族の願い」に頭が下がる想いがします。
少々、極端な例だったかもしれませんが、「高校受験」を「まだまだ先の将来のこと」とは思わないでほしいのです。「高校受験」とは、中学生になったからには近い将来に必ずやって来る、避けて通ることのできない人生の通過点なのだと認識していただきたいと思います。そして生徒たち一人一人が、けして勉強から逃げることなく、受験と真正面から向き合うだけの勇気を心に宿せるほど、大きく成長してくれることを切に願っています。
受験は、誰かが「受かり」、そして必ず誰かが「落ちる」ものです。それを、誰かが「勝ち」誰かが「負ける」と言った「勝負」に例えるのは少々不謹慎かもしれませんが、それでも、受験が勝負であるならば、私は、「なんとしてでも秋進の全受験生を勝たせたい」との信念のもと、日々授業に魂をこめて臨んでおります。
もし現段階で「都立高校」の入学を希望されているのであれば、また入学したい「私立高校」があるならば、将来勝つための作戦としてとらえ、今からしっかりと将来を見据えた、確固たる学習習慣を身に着け、毎日の学習に励みましょう。
志望校の合格は、受験生だけのものではないのですから・・・
「合格は家族の願い・・・そして君の喜び」なのです。